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独断と偏見の食編
香港には世界的にも高いレベルのレストランがたくさんあります。
そこでは英語さえ話せれば何の不自由もなく素晴らしい料理を楽しむことができます。
その味を求めて香港までやって来る人もいる程ですから、きっと素晴らしい料理なのだと思います。
そこまで高級店ではありませんが私もガイドブックで薦められているお店へは何店か行ったことがあります。
評判通りおいしかったお店、観光客慣れしてしまっていて不誠実なお店、いろいろですが、
値段に対しての味やサービスなど難しいことは抜きにして、何故かさほど満足感は高くありませんでした。
理由は漠然としていて上手く表現できませんが、口に合わないとか値段が高すぎるという具体的な事ではありませんでした。
それでも広東語はもちろん英語すらままならない私には、
やはり「日本語OK」や「日本語メニューあり」のお店やそれなりのレベルのお店が安心で、
釈然としない思いを感じながらもその手のお店へ足を運んでいました。
全てが全て期待はずれだったわけではありませんが、やはり満足感の低さは否めませんでした。
何度目かの香港から、地元色の強いお店へも挑戦するようになりました。
日本人にも知られているお店、地元100%のお店、どちらもありましたが、
時間帯によっては地元の方ばかりで、物珍しそうに見られることもありました。
もちろん英語は通じません。
広東語のみや英語併記のメニューをじっくり眺め、指差しで注文する。
時には思いが伝わらず、もどかしい思いや残念な思いをしたこともあります。
でもそんな行為がだんだんと気にならなくなってきました。
スマートなサービスやうっとりするような料理には出会いませんが、
アジアの食を代表する香港らしくそれなりのレベル、そして満足を得られる味に出会うことはできました。
何よりもそこで苦労して食事をすることがとても楽しく満足感に繋がっていきました。
私が香港に求めているのはこんな気軽さ、そしてちょっとの冒険心。気持ちが充実してくるのがわかりました。
もともと気分やの私は、食事も時間にとらわれるのが嫌いです。
特に旅行中は自分の気分以外のものに左右される事はとても負担になります。
主人もそれは了解済みで、大抵の事は私に決定権を与えてくれています。
こんな私のわがままがさらにこの道を推し進める要因にもなっていて、
この楽しみ方が私の性格にもピッタリなのだと気が付きました。
香港は飲食店がひしめいています。通りによってはこのブロック全てが飲食店なんじゃないかと思うほど、密集している場所もあります。
そんな同じようなお店をひとつひとつ試してみたりすることが私にとっての新しい香港の楽しみになりました。
なかには外す事もあります。
日本人の口に合う合わないだけではなく、こんなにおいしいものが溢れている香港でなぜ?と思うことも。。
それも香港の食の魅力のひとつと思っています。
日本では味わうことのできない味や、世界的にも最高級に値する味を求めていた時よりも、
より香港の方の食に近づく味を味わっている時の方がずっと楽しい。
私の食レポートは同じようなものばかりでお役に立たないかも知れません。
でも私にとってはそのお店、そのメニューひとつひとつが全く違った魅力を持つもので、
そこで食事をする時間はもっと魅力あるものになっています。
香港の楽しみ方はそれぞれ。私にとってのそれはこんなちょっとした冒険なのです。
相席のおじさんの不機嫌そうな顔や、店員のおじさんの淡白なサービスを見て、香港を実感したり。
でもおじさん達もほんの一言でも片言でも広東語で声をかければ、微笑んでくれることもあります。
でも香港人らしく、ほんのちょっとですが(笑)
これからもこんなおじさんや香港の片隅の味を見つけに、歩き回りたいと思っています。